不明 のアバター

Makito Araki の投稿

埼玉川越中心に建築士、家守会社、コワーク運営、移動式駄菓子屋、古物商とかしてます

コンサル業務した物件の報告

2019年の夏頃、県内のとある物件のコンサルタント業務を致しました。木造2階建ての建物の耐震診断は、既に数社実施しておられ、工事費見積もりも複数社集めておられたのですが、当然ながら、各社仕様も金額もバラバラで、一体何をどうすれば良いのか・・・?どの会社が適正なのか・・・? 判断つかないから・・・と、ご相談を頂いた訳です。

物件は築年数が30年程経過したキリスト教教会堂。牧師さんをはじめ教会員の皆さんの意見もあり、整理整頓がなされていない状態でしたので、ヒアリング、優先順位つけ、耐震診断報告書の確認し、再度、複数の施工業者をご推薦し、工事に至る直前段階までサポートする、という業務でした。一式で業務請負せず、僕が動く日数分の業務費を頂く、という「日数単価」とさせて頂きました。

概略工程表もプレゼントし、その工程だと、2020年5月後半には改修工事諸々が完了するスケジュールとして書かせて頂きました。既存の教会堂の全面的な改修なので、少しゆとりをみて5ヶ月間の工程とした訳です。

「ご報告が遅くなりました!」と、牧師さんから電話報告を頂き、無事に改修工事をほぼ終えて「荒木さんにサポートしてもらって本当に良かったです!」との感謝のお電話でした。コロナの影響もあるし、その後どうなっただろうか?と心配していたので、ご報告は本当に嬉しかったです。

maaoとして図面は一枚も描かず、耐震診断もせず、ただただ、教会堂の現況確認と資料整理と施工者選定のお手伝いをしただけとなりますが、30,000円/回+税 というコンサル料金で計10回分の費用を頂いたカタチでした。

完成した、との報でしたので、ご様子をいつか見に行ってみたいと思います!

スキルアップも含めて

個人事業主で設計事務所を始めたのが2013年だから、7年目を過ごしている訳ですが、知名度も実力も無い地方の一建築士にいつもコンスタントに仕事があるような世界ではないので、ちょこちょこ「アルバイト」をしております。若い頃からアルバイトを続けて生きてきたのですが、事務所を営んでからは、なるべく建築設計事務所の延長線上でアルバイトも選んでやってきている感じですが、最近はあまり拘らなくても逆に面白いかもなぁーと思ったりします。

今まで開業してからやってきたアルバイトは、創業時から思い出すと、

深夜の倉庫仕分け(笑)、構造事務所のヘルプトレース仕事、一級建築士資格学校の添削講師、ゼネコン実施設計図描き、DIY作業・・・等々ですけど、ちょっと前から続けているのは、「現場監査士」っていう、動いている現場のチェックマン仕事。これが、ガッツリ学びながら、のアルバイトにはなかなか良い環境。数多くの他社図面や施工現場を存分に見られるし、オンライン・システム環境や現場での新たな関係性を築いていける。そんなかんなで今は、スキマ時間はそんなアルバイトを続けています。

もし、建築系でこのアルバイトに興味がある人は声掛けてくださいね〜!

マイナスからのスタート

また一つ現場が始まったのですが、今回は水害を受けた住宅の再生。

木造2階建ての1階部分までが完全に水に浸かってしまった建物を多くの方々の手によって何とかスケルトン状態まで持ってきてその段階で設計のご依頼を頂きました。

水害を受けた建物ですので、その周辺エリアも同様の建物が多く、地域全体としての復旧が続くの中での単体計画をしていきますが、オーナーさんは厳しさの中にもポジティブにこのことを捉えておられて、この住宅再生を通して地域の皆さんの集いの場としても機能していくような想いを持っておられます。

年を追うごとに巨大化していく台風、上がり続ける気温、時期外れの降雪や猛暑。自然と対峙する際の建物のスペックを検討すると共に、この住宅再生が担うであろう将来が良い形になるように携わる全員で協力していこう、とスタートを切った訳です。

さぁ、集中して、ステキな場を築いていきます!

予算内でできること

2013年から小さな設計事務所として、コツコツと建築設計の仕事を続けてきました。名も無き地方の一建築士として、目の前に与えられたり、きっかけで生まれた可能性にチャレンジし続けてきた感じですが、少し引いてmaaoとして、どんな仕事が長けているのだろう?僕としてはどんな方向に進んでいきたいのだろう?とかを最近、考えたりしている中で。

低予算で、どうしようも無い行き詰まってて、あの人なら何とかしてくれるかも、という感じのご縁で始まって、現地を見ながら、時に企画を考え、時に図面を描き、時に自ら工具を扱い・・・と進んできた仕事がmaaoの大きな特徴何だろうなぁー と思いました。

そういった現場で印象的だったいくつかは

川越岸町の放課後等デイサービスだったり  住宅 →  キリスト教教会 →  放デイ 

入間のコーヒー屋さんだったり  住宅 →  珈琲店 

坂戸のフリースペースだったり 居酒屋 + テナント →  共有キッチン + フリースペース

共通項としては「低予算」「DIY」「チーム編成」といったキーワードが浮かびます。計画段階からオーナーさん、事業主さんと含めて話し合いを重ね、予算を組み、職人さん指名レベルの小チームからなる工事体制を自ら整え、施工をみんなで行いながら予算も調整して場を築いていく、、、というのが大筋でしたが、時には関連申請や届出に業務比重が掛かったり、オーナーさん自らが率先して施工なさり、そのサポートをしてきたりしました。

もちろん、新築・増築・改修の設計監理、耐震診断や補強設計、定期調査のような建物の定期診断やインスペクションも業務を続けてきましたが、特徴として挙げるならこの共通項3つによる一緒になって作っていく動きなのかもしれません。

一つ一つは小さな動きかもしれないし、毎回予算では四苦八苦していることも多いのですが(笑)それでも、想いが結集して自分たちでその動きがカタチに現れてくる時、その場所に想いを含めた手づくりの良さでの仕上げに至るのかなぁと思いました。最近は、それに地域の課題、特殊事情が掛け合わされてきている感じです。

日々、格闘しておりますが、maaoなりに計画に携わる小チームで応えて進んで参ります。

このままでよいのか

新型コロナウイルスが全世界に蔓延し、私たちの日本にも広がり続けています。学校が休校になり、イベントやスポーツが自粛され、電車や飛行機も普段と違った様相を続けています。僕の長男は中学3年生、長女は小学6年生で、この春の卒業式を楽しみにしておりましたが、親は式に参加できない最小限人数での卒業式になりました。1〜2週間が山場のように言われていた期間も過ぎ、今尚、どうなってしまったんだろうという雰囲気がここそこに漂っている毎日です。

2013年4月2日に自宅の2階、8帖の一室で始めた僕の設計事務所も、気が付けばもうすぐ7年が過ぎようとしております。我武者羅に進んできたようにも思えますし、不思議と仕事を通じて、それぞれのプロジェクトを通じて、その後の展開につながっていったような日々に感じます。特別に設計デザインが優れているとか、バリバリ仕事ができる、という建築士ではないので、サポート的な仕事も含めて、頂いた仕事、ご縁に自分なりの誠意で応えてきた訳ですが、全てが完璧に至ったのではなく、更なる課題を頂いたり反省をしたりすることが多いです。

現在は僕1名で事務所の仕事をこなしておりますが、初期の頃は2名でだったり、何度もスタッフにして頂けませんか?という声を頂いたり、インターン的に一時的に入ってくださった方はいますが、ここまでのmaaoとしての動きは、このスタイルで動いております。計画の規模や状況で、プロジェクトごとにチーム編成することも多く、現在はこのスタイルでいっております。

1構造、2デザイン性、3省エネ性、この3本柱をmaao建築の設計を強みにしつつ、現在も学びと実践の日々であるのですが、1,2、はともかく、3について、まだまだ僕の携わらせて頂く仕事、企画・計画、実務においてはうまく連動していない、というか、自分の思うようなカタチに至れていない、というのが実感です。ヒートショックで亡くなる方をこの世から無くしたいと思っております。メディアや、身近な方でも家についての話題中で、「この方はもしかしたら、住環境のせいで命を失ったのかもしれない・・・」と思うことが多くなりました。こたつや床暖房や暖房便座の話を聞く度に、もしかしたら夏暑過ぎ、冬寒過ぎの家に住んでおられるのだろうな、と考えてしまいます。僕の携わるお客様との会話の中でも、計画において、膨らみに膨らんだ予算を削っていく項目に、断熱は軽く見られているような感覚があり、ご説明してもなかなか理解されないことがよくあります。体感を伴わない説得は実に難しいものです。

【新築】計画においては、311のような天災や人災を経て、住宅を中心に、かなり省エネルギー性についての視点は、上がってきているように思いますが、僕自身の仕事、maaoの多くの仕事は、割合として【改修:repair】工事が多く、また、建物や場の定義を根本から考える【リノベーション:Renovation】がほとんどになってきています。そして、そのような計画のほとんどが、予算が潤沢には無いことが多いです。その中で、それでも、少しでも居心地の良い環境、ワクワクするような場づくりを目指して、職人さんのみならず、お施主さん、ご友人、ワークショップをSNSで呼び掛けた際の参加者、ご近所の方等々、と一緒に工事も行っていくような、セルフリノベーション(DIY)を行ったりもしているのですが、結果として、この省エネルギー性については、納得のいく結果に至ったことが、残念ながらほとんどありません。

外壁を塗り替えませんか?というチラシ。その予算をかければ、少しでも断熱性能を上げることができるのになぁ、と思ったり、「いつか、息子、娘の誰かに、この家を渡して住んでもらおうと思っているんですよ」というご年配のお客さんに、「それなら断熱性能を上げる断熱改修工事を行うことが良いと思いますよ」とお勧めしたりしている訳ですが、根本的に何か「意識を変える」手を打たないと、人生終わってしまうなぁー、と大きな危機感を感じております。

圧倒的な数の建物が、あまりに余ってきている国、ニッポン。

そう、【既存】建物、【既存】住宅、への住環境改善へ。

既に建ててしまって住宅ローン返済中の住宅だったり、賃貸だからなーんも手を付けられないんですよ、と、機械頼みの住環境だったり、受け継いで住んでおられる古い建物であったり、ボロボロで不動産業者さんも「価値はゼロですよ」とか言われ、解体を待つのみの建物であったり、エアコン+ファンヒーター+ホットカーペットで我慢すれば、光熱費が凄いことになっていても極寒よりはマシと割り切っている建物だったり・・・日本は結構、そんな建物だらけなんじゃないかなって思います。

新築なら、それなりの断熱性能をもった資産価値のある建物を

既存改修・リノベーションも、断熱性能も確保した資産価値を上げる建物を

maaoは、そこを攻めていきます。耐震性、デザイン性、そして省エネルギー性のある建築を。

この環境は変えられる。

これからも、励んで参りますので、どうぞよろしくお願い致します。